猫と暮らす時に気をつけなければならないことの1つは脱走です。外には鳥や虫など興味を引くものがたくさん。飼い主さんが警戒をしていても一瞬の隙に逃げられてしまったという経験をした方もいるでしょう。
大事なネコが脱走してしまったら飼い主さんは心配で気が気ではないはず。では、脱走を防ぐにはどのような対策がいいのでしょうか?
体験談をもとに我が家で行っている対策を紹介します。
なぜ脱走がダメなのか
そもそも、どうしてネコにとって脱走がダメなのでしょうか?
- 野良猫やカラスなどの動物に襲われる
- 車や電車など乗り物で事故にあう危険性
- 目には見えにくいダニや病原体による感染症のリスク
- 少数派ですが虐待する人間がいる
など屋外にはさまざまな危険が潜んでいます。動物に襲われたり、車などに轢かれて命を落としてしまうことは珍しくありません。
また、屋外では十分な栄養を調達できないため衰弱してしまいます。
後に詳しく説明しますが、脱走してから時間が長ければ長いほど見つかる可能性は低いです。
ネコの屋外生活について
ネコが脱走しやすい場所4選!
脱走がダメ!といわれても具体的にどうすればいいかイメージしにくいですよね?まずは、家のどこから脱走してしまうのか体験談をもとに解説します。
どんなに飼い主さんが気をつけていても一瞬の隙に脱走してしまうので、予防対策を行いましょう。これくらいなら大丈夫だろうと思っていた隙間からも逃げてしまうので我が家で行っている脱走対策を紹介します。
玄関からの脱走
脱走経路で最も多いのは玄関です。特に、家族で暮らしていたり複数人いると脱走する可能性が高いといわれています。
- 家族が外出する時や帰宅の時に、玄関を開けた瞬間にネコが飛び出してしまった。
外出する時にはネコのある程度の位置が確認できますが、帰宅する時にはネコがどこにいるかわからないですよね?飼い主さんの帰りを待つために玄関にいるかもしれません。
基本的にはネコが玄関まで自由に来れないようにしましょう。特に、玄関付近に扉の仕切りがない造りのご自宅は柵の設置をオススメします。
柵があれば、ネコが簡単に玄関へ近づくことができません。柵に設置により、玄関で飼い主の帰宅を待つ姿を見ることができなくなりますが、脱走して二度と一緒に暮らせなくなる可能性を減らすことができます。
犬と違って猫はジャンプ能力が高く、最大約2mもジャンプできるといわれているので高さのある柵を選びましょう。
犬用のペットゲートではなく、猫用のゲートにしましょう。ご自宅の造りに合わせてDIYするのもいいですね!
窓・網戸からの脱走
玄関に次いで多いのが窓・網戸からの脱走です。暑い時期や換気をしていて、締め忘れた時に脱走することが多いようです。
- ネコが器用に前脚をつかって窓を開けてしまった
- ネコが網戸を破って脱走した
ネコは前脚を器用につかって、扉や窓を開けることができます。個体差がありますが、器用なネコはドアノブ付きの扉も開けることができるとか。
そんなネコにとって窓のような引き戸を開けるのは簡単でしょう。我が家の愛猫おこげさんも扉の隙間に前脚を入れて開けることができます。
猫に窓を開けられないようにするために、後付けのロックやストッパーで対策しましょう。
また、網戸は経年劣化でほつれている箇所があるとそこを破って脱走するようです。日頃から網戸のほつれがないか確認し、少しでもほつれている場合は網戸を使うことを避けたり、早めに修理をしましょう。
ベランダからの脱走
基本的に猫をベランダに出すのはオススメできません。ご自宅の高さにもよりますが、ネコでもべランダから落ちます。ネコといえば高い場所から落ちてもしっかり着地できるイメージですが、失敗して怪我をすることがあります。
なので、どうしてもベランダに出すのであれば、転落防止もかねてフェンスやネットを設置しましょう。
万が一、転落してしまえばネコでも骨折や内臓損傷などの可能性があります。対策をしていれば防げる事故なのでぜひ検討してください。
- 洗濯物を取り込もうとしてベランダの扉を開けたら、瞬間的に飛び出してしまった
- ベランダに出していたら、柵の隙間から逃げた・落ちた
ベランダの柵にはさまざまなタイプがあります。普段からネコをベランダに出す習慣がなくても柵に隙間がある場合は、脱走対策をすることをオススメします。
万が一、ベランダに出てしまった場合に柵の隙間を埋めていれば脱走を防ぐことができます。
ベランダ柵の幅がネコの顔より広い場合は、ネコにとってすり抜けるのは簡単です。なのでベランダ柵にネットを張って隙間から脱走できないようにしましょう。
脱走対策
先ほど紹介した脱走体験談をもとに、私が実際に使用している脱走対策・グッズを紹介します。ご自宅の造りに合わせて、最適な脱走対策を行いましょう。
玄関対策
玄関からの脱走対策として、玄関へ簡単に近づけないように柵を設置しましょう。
我が家では玄関前に扉がついており玄関からの脱走する可能性は低いです。ですが、キッチンとリビングに仕切りがなく、お留守番中にイタズラされたりコンロによる火災など危険が多いと判断したので柵を設置しています。
間仕切りとして使っている柵がこちらです
- 猫が登りにくい・脱走しにくい構造
- 扉を開いたままでも90°で勝手に固定される
- 足元がバリアフリーになっているので掃除が楽
この柵を選んだ理由は、柵の高さが2m以上な点と床掃除の時に邪魔にならなさそうと感じた点です。
取り付けの高さが約182〜245cmと幅広く、様々な家の状況に合わせて設置できます。ネコは2mくらいジャンプすることができたり、家具に飛び乗って柵を越えることができます。なので、ある程度の高さがないと脱走対策にはなりません。
ネコはジャンプ能力が高いだけでなく、足場があれば登ることもできます。ですが、この柵は登れないような設計になっているので安心です。また、扉にはロックを2箇所つけられるので、器用なネコでも2箇所とも開けるのは簡単ではないでしょう。
使ってみて1番良いと感じたのは、扉を開くと勝手に90度で固定されるので邪魔にならないです。また、足元がバリアフリーになっているので床掃除も簡単です。
また、天井付近での突っ張り棒の固定が難しかったですが、現在販売されている製品では固定方法が改良されており、私が使用した製品より設置しやすくなっているようです。
使用中のデメリットは感じていません。カスタマイズができるので、さまざまな場所や構造のご自宅の環境に合わせた設置ができるでしょう。
取り付けに関する注意点がいくつかあるので、事前に確認しましょう。
窓・網戸対策
前脚が器用なネコが窓や網戸を開けないようにするためにはストッパーがオススメです。
窓を閉め切ったままにすることができるのであれば、ストッパーの設置は不要です。ですが、換気をしたり小さいお子さんがいて勝手に開けてしまう場合では難しいでしょう。
窓の隙間から脱走できないようにストッパーでロックができます。
- 貼るだけカンタン
- 解錠・施錠がワンタッチ
- 自分の好みの場所に貼れる
- 防犯対策もできる
一番のオススメポイントは取り付けが貼るだけ。補助鍵として使う程度なので、窓の開閉するときにワンタッチで施錠と解錠が切り替えられるのがとても便利です。
レビューの中には粘着力が弱いといった内容がありましたが、貼る前にサッシの脱脂をしっかりと行えば問題ないと感じました。我が家では問題なく使えています。
網戸を破られないためにも、窓のサッシに貼り付けて猫が通れない幅になるようにすれば網戸対策も一緒にできます。
ベランダ対策
ベランダも玄関と同様、出入り口に柵を設置する対策があります。先ほど紹介した玄関対策の柵はベランダの入り口の柵としても使用可能です。柵の設置はベランダからの脱走リスクを大幅に減らせます。
部屋を狭くしたくないけど、ベランダの脱走対策をしたい時にはネットの設置をオススメします。
ベランダの柵に隙間があいている場合にはバルコニーシェードを貼ってみるのはどうですか?
- ハサミで簡単に裁断できる
- シェード生地なので風が吹いてもベランダや壁面が傷つかない
- 風通しがいいのに、目隠しもできる、紫外線カットもできる
バルコニーシェードを貼り付けるように柵の間を塞いでしまえば万が一、ネコがベランダへ出てもそこから先へは脱走できません。
この製品は設置場所に合わせて21サイズあるのでさまざまな場所に合わせて設置できます。また、ハサミで簡単に裁断できて、裁断面もほつれなくキレイです。
また、サンシェードとしても使うことができるので目隠しにもピッタリ。
賃貸アパートによっては、サンシェードの設置が禁止されていることがあるので、管理会社もしくは大家さんに確認しましょう。
脱走した場合に備えた対策
いくらしっかり対策をしていても一瞬の隙に、脱走する可能性があります。万が一、脱走してしまった時に備えた対策を紹介します。まだ対策していない場合は、取り入れてみてください。
首輪に飼い主さんの名前、住所、電話番号を書いておく
ヒトには身分証明書がありますが、ネコは脱走すると飼い猫なのか野良猫なのか判断が難しいです。首輪をつけていると見た目ですぐに飼い猫と判断できます。
脱走したネコが保健所・動物愛護センターで保護された場合に、飼い猫なのか証明できるものがない・飼い主が現れないと殺処分されてしまう可能性があります。
万が一、脱走してしまった場合に備えて首輪に慣れさせましょう。もし、飼い猫が保護された時に、首輪に飼い主さんの情報があると保護してくれた方から連絡が来る可能性があります。
ですが、首輪を嫌がるネコは多い印象です。その場合には次の方法をオススメします。
マイクロチップを装着する
こちらも脱走してしまった場合の備えです。首輪が苦手なネコでもマイクロチップを装着していれば、飼い主さんの情報がわかります。なので首輪が苦手でも、苦手じゃなくてもマイクロチップの装着をオススメします。
マイクロチップにはGPSのような機能はありませんが、首輪と同様に飼い主さんの情報がわかります。首輪を付けていないネコが動物病院・警察・動物愛護センターなどで保護された場合にはマイクロチップの有無を確認するので、飼い主さんの元へ連絡が来ます。
なので、引越しや連絡先が変わったなど飼い主さんの情報に変更があった場合には、速やかに手続きをしておきましょう。
マイクロチップについて
マイクロチップは改正動物愛護法に基づき、2022年6月からペットショップやブリーダーにはマイクロチップの装着が義務付けられています。すでに猫を飼っている人は、装着が努力義務ですが、ぜひ装着を検討してください。
脱走したら自分で帰ってこれる?
過去に外で暮らしていた経験がある猫は脱走後、何ヶ月後かに自力で帰ってきたなどの話を聞きますが、必ず帰ってくる保証はありません。子猫の時からイエネコだと尚更、自力で帰ってくる確率は低いです。
動物には帰巣本能と呼ばれる、見知らぬ場所から自分の家まで戻ってこれる能力が備わっています。猫にも帰巣本能があるとされていますが、イエネコは帰巣本能が弱くなっているようです。
外はたくさんの恐怖がある世界です。一度脱走してしまうと再び出会える可能性は脱走してから7日以内は30〜40%、1ヶ月経過する頃には10%と時間の経過で差があります。
外にいる時間が長ければ、野良猫化してしまい人間への警戒心が高くなるため更に見つけにくくなります。
脱走が発覚したら早く見つけることが大切です。
猫の行動範囲は家から半径50m程といわれており、自分の匂いや居場所がわからなくなることから自力で帰ってこれる可能性は極めて低いです。
猫を外に出してもいい?
猫が外に出たがると「出してあげた方がいいのでは?」と考えることもあるでしょう。
今後も屋内で飼うのであれば、安易に外へ出してはいけません。一度でも外へ出てしまうと外も縄張りと認識して、見回りに行けないことでストレスを感じるようになります。
また、野良猫の平均寿命は3〜4歳程度、イエネコの平均寿命が15歳を超えるといわれています。
それだけ屋外での生活が過酷だということを意味しているので、「少しの間なら外に出しても大丈夫」ということはありません。
まとめ
脱走経験談から玄関やベランダ、網戸が脱走しやすいことがわかりますね。市販の製品を設置したりDIYをしてお家のつくりに適した物を選びましょう。
どんなに気をつけていても脱走してしまうことはありますが、予防すること・リスクを減らすことはできます。そして、今まで屋外に出たことがあるからといって必ず帰ってくる保証はありません。
お互いが安心して暮らせるように参考にしてみてくださいね。
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