猫の尿路結石ってなに?実際に使っていたフード6種類をレビュー&予防対策を紹介!

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ネコは泌尿器系の病気にかかりやすいといわれいます。我が家の愛猫おこげさんも尿路結石症の治療をしています。

ネコ一匹一匹状態が異なるので、詳しい状況はかかりつけの動物病院を受診することをオススメしますが、病気に関する解説と我が家で使っていたフード6種類をレビューします。また、結石症の予防対策もあわせて紹介します。

目次

尿路結石症とは?

尿路結石症とは、尿路に結晶もしくは結石ができることで膀胱や尿道を傷つけたり、詰まることでおしっこが出なくなる病気です。

おしっこが出ないと腎臓に負担がかかり、急性腎不全や尿毒症につながる恐れがあるので、命に関わることも。

尿路結石症のフードについて今すぐ知りたい方はこちら

尿路ってなに?

腎臓・尿管・膀胱・尿道の総称を“尿路”とよび、そのうち腎臓と尿管を“上部尿路”膀胱と尿道を“下部尿路”といいます。ネコは膀胱炎や尿路結石が発症しやすいといわれています。

また、フードやおやつにも下部尿路対策を表示がされていることがあります。

結石はどうしてできるの?

さまざまな原因がありますが、以下の影響を受けると結晶化→結石になるといわれています。

  • 尿中のマグネシウム・リン・カルシウムなどのミネラル成分が増える
  • 尿のpHのバランスが崩れる
  • おしっこの濃度が濃くなる
  • ストレス
  • もともとの体質

結石症にはさまざまな種類がありますが、発症しやすい2種類を解説します。

シュウ酸カルシウム尿石
  • 尿のpHが6.0以下(酸性)
  • 7〜11歳に発症しやすい
  • シュウ酸、カルシウムが結晶化
ストルバイト尿石
  • 尿のpHが6.6以上(アルカリ性)
  • 1〜6歳に発症しやすい
  • リン、マグネシウムが結晶化

こんな症状があれば受診を!

尿路結石症は泌尿器系の病気なので、おしっこの状態や排泄頻度に変化がみられます。以下の症状にうち、1つでも当てはまれば動物病院を受診しましょう

  • おしっこが24時間以上出ていない
  • 頻尿(普段の回数より+1回以上の日が続く)
  • 排尿時、大きい声で鳴く
  • トイレへ何度も出入りする(尿が出ていなくてもトイレへ行く)
  • 尿にキラキラしたものが見える
  • 明らかな血尿、ピンク色の尿

その他、食欲不振や元気がない場合も動物病院を受診しましょう。症状が悪化すると石の除去のために手術が必要であったり、急性腎不全など発症する可能性があるので早期発見を。

また、オスの場合は尿道が狭いので詰まりやすく、手術で結石を除去するケースが多いようです。

早期発見のために

このような症状を見逃さないためにも、ネコの普段の排泄量や回数を把握することが重要です。これを読んでいるあなたはどんな対策をしていますか?

我が家では尿路結石発症後に排泄量・回数を把握するためにさまざまな方法を試しました。ですが、面倒な手間が多いので、長くは続かず・・・。そんな悩みを解決してくれたのがCatlog Boardでした

Catlog Boardは、アプリと連動している体重計なので今使っているトイレの下に置くと、1日の排泄量・頻度・体重を測定してくれます。

また、データをグラフ化してくれるので一目でわかりやすく、普段のデータから逸脱した場合は通知がくることで早期発見が可能です。実際に我が家でも、Catlog Boardの通知により尿路結石症を早期発見することができました

予防

尿路結石症はおしっこのpHバランスが酸性・アルカリ性のどちらかに傾いた場合に発症する可能性が高いです。また、普段の過ごし方も尿路結石症の発症に影響するので今すぐできる対策を紹介します

飲水量の確保

膀胱内に長時間おしっこが溜まったままだと結晶ができやすいといわれています。また、ネコはもともと水を飲む量が少ないので体内の水分量が少なく、おしっこの量が少ない=膀胱内に溜まりやすい状態です。飲水量を増やすと排泄を促せるので、結果的として膀胱内の溜まる時間を減少し、結晶ができにくくなります。

1日に必要な飲み水の量を知っていますか?

体重1kgあたり約30〜50mlといわれています。我が家の愛猫おこげさんは体重が約4kgなので、約120〜200ml/日です。

ですが、ネコの飲水量の確保は飼い主さんの悩みの種の1つです。我が家で行っている対策を紹介しているので参考にしてみてください。

食事

尿路結石症は尿中のマグネシウム・リン・カルシウムなどのミネラル成分が増えることで発症します。つまり、食べ物の影響を受けるので、過剰なタンパク質・ミネラルの摂取は結石になる可能性が

結石になりやすいミネラル、特にマグネシウム・カルシウム・リンが多く含まれているものは避けましょう。また、水に含まれるミネラルにも注意しましょう。硬水はミネラルが多く含まれているので、軟水か水道水をオススメします

水の硬度は、カルシウム・マグネシウムなどの含有量で変わります。世界保健機構(WHO)の基準では、60mg/L以下が軟水、60〜120mg/Lは中硬度、120〜180mg/L以上の水は硬水、180mg/L以上が超硬水です。

猫に水道水を与えても大丈夫なの?

水道水を与えても問題ないです。猫に与えてよい水の条件があります。

  1. ミネラルの少ない水=軟水
  2. 雑菌が繁殖しないこと

日本のほとんどの地域の水道水は軟水であり、雑菌が繁殖しないように消毒されています。ですが、一部の地域では硬度が高い水なので、住んでいる地域が問題ないか調べてから与えましょう。

実際に尿路結石症になると食事療法を行うので、後に食事療法で使っていたフードを紹介します。

ストレス

ストレスは自律神経に影響するといわれており、尿路結石症や膀胱炎の発症とストレスは深い関係があると報告されています。自律神経とは交感神経(活動的な状態)と副交感神経(リラックス状態)に分けられます。

私たちでもストレスが溜まっている時は、リラックスできずイライラしますよね?ストレスが溜まると交感神経が優位に働き、興奮したような状態になります。ネコも同様にストレスが溜まると興奮が長く続く状態になります。

ネコが排泄する際はリラックスしている状態=副交感神経が優位になっています。なので、ストレスが溜まり交感神経が優位に働くと膀胱内におしっこが溜まりやすい状態となります

我が家で使った尿路結石症対策のフード

我が家では尿路結石症に対する治療として獣医師の指示のもと、食事療法を行っています。尿路結石症は結晶がなくなっても完治するわけではなく、また再燃することがあるので今までさまざまなフードを試してきました。実際に我が家で与えていたフードを紹介します。

ネット通販でも購入できるフードがありますが、与える場合にはかかりつけの獣医師さんに相談してください。

紹介するフード一覧

ヒルズ s/dエスディードライ

ヒルズの療養食はいくつかのシリーズが存在します。中でも尿路結石に配慮した療養食には“尿ケア”という表示がされています。

塩分が多く含まれており、塩気が多いことで飲水量を増やすことができるようです。また、高塩分食を摂取すると、体内にクエン酸がたまり結石をできにくくする効果もあるとか。

ヒルズのs/d(エスディー)はストルバイト尿石の溶解が特徴の療養食です。約2〜4週間で溶解するようで、我が家では1ヶ月ほどs/dを与えていました。

ストルバイト結石はリン・マグネシウムが結晶化するので、含有量が調整されています。また、尿中pHがアルカリ性(6.6以上)に傾くと発症しやすいので、目標の尿pHを5.9〜6.1に設定されています。

s/dをストルバイト結石の予防はできる?

ヒルズのs/dは尿のpHを酸性(5.9〜6.1)に設定されているので、長期間の使用はオススメされていません。なので、ある程度の目標pHになったらフードを切り替えることが多いようです。

商品詳細
  • 4173Kcal/kg(411Kcal/cup)
  • 製品サイズ500g、2kg
成分乾物量分析値(%)
たんぱく質34.7%
脂質24.8%
炭水化物(NFE)33.5%
粗繊維0.7%
カルシウム0.94%
リン0.75%
カリウム0.99%
ナトリウム0.34%
マグネシウム0.066%
タウリン0.2%
ビタミンC0ppm
ビタミンE618lU/kg
オメガ-3脂肪酸0.47%
オメガ-6脂肪酸4.96%

獣医師の先生から「s/dは味付けを好まないネコが多い」と言われていた通り、我が家でもあまり食べてくれないことが多かったです。ですが、治療のためには食べないといけません。対策としてヒルズのc/dシーディー缶と一緒に与えていました。

ヒルズ c/dシーディー缶詰

ヒルズのc/d(シーディー)缶はウェットフードなので、水分量も確保できて一石二鳥です

c/d缶にはチキン&野菜入りシチューとツナ&野菜入りシチュー缶がありますが味に違いがあるだけなので、よく食べる方を選んでいました。

製品詳細

69Kcal/2.9oz(82g)缶

成分乾物量分析値(%)
たんぱく質41.2%
脂質18.8%
炭水化物(NFE)33.2%
粗繊維0.7%
カルシウム0.81%
リン0.67%
カリウム0.93%
ナトリウム0.38%
マグネシウム0.057%
タウリン0.42%
ビタミンC18ppm
ビタミンE732lU/kg
オメガ-3脂肪酸0.83%
オメガ-6脂肪酸3.59%

ヒルズ c/dシーディーマルチケア チキンドライ

ヒルズのc/dマルチケアはストルバイト尿石とシュウ酸カルシウムの形成に配慮して、特発性膀胱炎を防ぐ療養食です。ストルバイト結石・シュウ酸カルシウム結石ともに、形成させるのを防ぐので半年ほど与えていました。

ストルバイト尿石はリン・カルシウムの結晶化、シュウ酸カルシウム尿石はカルシウムが結晶化するので、それぞれの含有量が調整されています。

また、尿中pHが酸性(6.0以下)・アルカリ性(6.6以上)のどちらにも傾きすぎないように目標の尿pHが6.2〜6.4に設定されています。

製品特徴
  • 3878Kcal/kg(410Kcal/cup)
  • 製品サイズ500g、2kg、4kg
成分乾物量分析値(%)
たんぱく質33.9%
脂質16.1%
炭水化物(NFE)43.7%
粗繊維1%
カルシウム0.79%
リン0.68%
カリウム0.68%
ナトリウム0.37%
マグネシウム0.072%
タウリン0.25%
ビタミンC0ppm
ビタミンE684lU/kg
オメガ-3脂肪酸0.75%
オメガ-6脂肪酸3.41%
ヒルズ公式サイトから抜粋

s/dよりは食べてくれますが、フードだけだと食べる量が少ないので引き続き、c/d缶と一緒に与えていました。

ヒルズにはc/dとc/dコンフォートの2種類あるけど、何が違うの?

どちらも尿路結石症の対策フードという点では同じですが、ストレスに対するケアが含まれているかが大きな違いです。

ご自宅のストレスが膀胱の健康に対して悪影響を及ぼすことが知られています。

ヒルズ公式サイト

公式サイトにある通り、ストレスと尿路結石症が関係するという報告があります。ストレスも合わせてケアしたい場合にはc/dコンフォートを選びましょう

ドクターズケア ストルバイトケアスターター

ヒルズのc/dを半年以上与えていましたが、尿中の結晶が現れはじめたのでフードを変えることになりました。そのときに、獣医師さんから提案されたのがドクターズケアのストルバイトケアスターターでした。

ストルバイト結石ができにくいように、マグネシウム・リンが制限された療養食です。また、原産国が国産というのが他の製品との違いです。

ヒルズのc/dと比較するとフードの粒が小さく、愛猫おこげさんは小さめのカリカリを好むのでよく食べていた印象でした。

製品特徴
  • 428Kcal/100g
  • 製品サイズ500g、1.5kg
成分乾物値(%)
たんぱく質40.4%
脂質24.7%
粗繊維0.5%
灰分7.5%
炭水化物(NFE)26.8%
食物繊維3.6%
カルシウム0.79%
リン0.70%
カリウム1.04%
ナトリウム0.65%
クロール1.91%
マグネシウム0.06%
256mg/kg
19mg/kg
亜鉛684mg/kg
EPA+DHA0.19%
タウリン0.34%
代謝エネルギー428kcal/100g

ロイヤルカナン ユリナリーS/O

ロイヤルカナンには尿石治療の療養食“ユリナリー”シリーズが全6種類存在します。どのシリーズにも共通してストルバイト尿石・シュウ酸カルシウム尿石の形成に配慮されています。

ユリナリーS/Oは6種類のシリーズの中で最もスタンダードなタイプで、推奨年齢は1〜7歳向けです。

ヒルズ・ドクターズケアより1粒が大きい印象でしたが、愛猫おこげさんは問題なく食べていました。

製品特徴
  • 387Kcal/100g
  • 製品サイズ500g、2kg、4kg
成分保証分析値(重量百分比)
たんぱく質32.5%以上
脂質13.0%以上
粗繊維3.9%以下
灰分9.8%以下
水分6.5%以下
分析値(100kcalあたり)
カルシウム0.2g
カリウム0.26g
リン0.22g
マグネシウム0.02g
2.94mg
0.39mg
亜鉛4.73mg
クロール0.62g
ナトリウム0.34g
EPA+DHA93mg
タウリン0.06g
アルギニン0.41g

ロイヤルカナン ユリナリーS/Oエイジング7++CLT

先ほど紹介したユリナリーS/Oと類似していますが、大きな違いはシニア猫向けの商品です。エイジング7+は7歳以上を意味しているとのこと。

また、ロイヤルカナンには“CLT”表記がある場合は、ストレスに配慮した製品です。なので、ユリナリーS/OとCLT表記があるので、「尿石形成」と「ストレス」に配慮された製品という意味です。

愛猫おこげさんもシニア期に突入したので、年齢を考慮したフードに変更しています。

製品特徴
  • 372Kcal/100g
  • 製品サイズ500g、2kg
成分保証分析値(重量百分比)
たんぱく質30.0%以上
脂質9.0%以上
粗繊維4.6%以下
灰分7.9%以下
水分6.5%以下
分析値(100kcalあたり)
カルシウム0.2g
カリウム0.46g
リン0.17g
マグネシウム0.02g
2.69mg
0.40mg
亜鉛4.58mg
クロール0.45g
ナトリウム0.11g
セレニウム0.008mg
EPA+DHA100mg
タウリン0.06g
アルギニン0.37g

それぞれを比較

我が家で今まで使ってきた尿石ケアのフードを紹介しました。最後にそれぞれのフードに含まれるミネラル量と特徴をまとめたので参考にしてください。

スクロールできます

尿pH5.9-6.16.2-6.4非表示5.9-6.16.0-6.56.0-6.5
カルシウム0.94%0.79%0.81%0.79%0.2g0.2g
リン0.75%0.68%0.67%0.70%0.22g0.17g
マグネシウム0.066%0.072%0.057%0.06%0.02g0.02g
ナトリウム0.34%0.37%0.38%0.65%0.34g0.11g
カロリー417Kcal/100g387kcal/100g69Kcal/82g428kcal/100g387kcal/100g372kcal/100g
特徴ストルバイト尿石の溶解ができる。ストルバイト・シュウ酸カルシウム尿石の両方ケア。
特発性膀胱炎も防止できる。
ストルバイト・シュウ酸カルシウム尿石の両方ケア。
ウエットフードなので、水分も摂れる。
ストルバイト尿石のケア。
原産国が国産
ストルバイト・シュウ酸カルシウム尿石の両方ケア。
ユリナリーシリーズで最もスタンダード
ストルバイト・シュウ酸カルシウム尿石の両方ケア。
シニア猫向けでストレスも配慮できる
各公式サイトから引用

まとめ

さまざまなフードがあることから、ネコにとって尿路結石症が身近な病気ということがわかりました。

まだ尿路結石症と診断されていない場合でも、情報を知っていると重症になる前に防ぐことができます。あなたの周りの飼い主さんにもぜひ教えてあげてくださいね。

この記事を参考にして一匹でも多くのネコの健康が維持できれば嬉しいです。

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この記事を書いた人

保護猫おこげと2人暮らし。1匹でも多くの保護猫が安心して暮らせる未来を。
ネコのために働く、病院勤務のライターです。

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