日本でペットショップにいる猫以外のほとんどは日本猫です。しかし、「飼っている猫の種類は?」と聞かれた時に“日本猫”と答える人は少ないでしょう。
では、日本猫とはなんなのでしょうか?詳しく説明していきます!
日本猫とは?
特定の品種ではなく、昔から日本に多く生息して自然繁殖している猫を指します。自然繁殖しているため雑種が多いですが、日本猫=雑種ではないので後で詳しく説明します。
一方、“アメリカンショートヘア”や“マンチカン”などの品種は純血種を意味します。
純血種は人間の手が加わって、その姿を維持しています。なので、ペットショップやブリーダーで飼育されている猫のほとんどが純血種です。
猫が日本にやってきたのはいつ?
そもそも猫は飛鳥時代から奈良時代には、日本で暮らしていたとされています。
さまざまな文化が持ち込まれた際に、猫も中国や東南アジアの外国人が日本に持ち込んだのが始まりとされています。当時の猫の役割として、輸入される経典などの書物をネズミから守るためだったようです。
その猫たちが日本で自然に繁殖していき、日本の環境に適応していくことで野良猫のようなよく見る姿に変化してきました。
日本猫と雑種の違いは?
雑種とはAとBという違う品種で繁殖した混血種を意味します。わんちゃんではミックス犬と呼ばれることがありますが、その子たちは雑種に含まれます。
例えば“マンチカン”と“マンチカン”が親の場合は“マンチカン”という純血種です。しかし、“マンチカン”と“ベンガル”が親の場合は“MIX(雑種)”となります。
雑種は純血種同士以外の組み合わせで生まれた子を指すので
- A純血×B純血
- A純血×雑種
- 雑種×雑種
以上の3パターンが雑種となるので同じ品種同士で生まれた子以外は全て雑種となります。
純血AとBで生まれた子は雑種ではあるものの人間が手を加えて繁殖しているため日本猫には含まれません。
日本猫の種類
猫では親子や兄弟で色が違うことは珍しくありません。猫の毛色や柄は遺伝子の組み合わせで変わり、多くの種類があります。
代表的な日本猫に分類される特徴は4つあり、毛色と柄でそれぞれ呼び名が変わります。個体差はありますが、同じ毛色・柄で性格が似通うことがあるので、それぞれの性格も紹介します。
①単色(リソッド)
黒猫、白猫など柄がなく他の色が一切入っていない被毛をもつ猫のことです。もともと猫は毛の1本1本に模様を作る遺伝子を持っていますが、それを抑える遺伝子の働きで1色になるとされています。
なので、子猫の時は白一色だったのが大きくなって柄が出てきたり、その逆もあるようです。
白猫の性格
自然界で白は目立つため、白猫は慎重で神経質な子が多いようです。
オスはマイペースで甘えん坊、メスは警戒心が強く、ほどよい距離感で飼い主だけに懐く傾向にあります。
黒猫の性格
黒猫は甘えん坊な子が多い傾向があります。特にメスよりオスの方が甘えん坊です。
頭がよく、空気を読むのが上手なようです。
日本で黒猫が横切るのは幸運が訪れるサインで、ラッキーキャットともいわれていたようです
②しま模様(タビー)
しま模様の入った猫は○○トラと呼ばれます。白色が入っていてもしま模様があればこれに含まれます。
しま模様は大きく3種類に分けられます。毛色によって性格が少し異なるようですが、共通して甘えん坊な子が多いです。
キジトラ
キジトラは全身茶色がベースで黒のしま模様が特徴です。鳥のキジに似た模様のためそう呼ばれるようになったと言われています。
鼻は茶色で口の周りは白くなりやすく、肉球は黒か濃いチョコレート色になりやすいです。お腹にもしま模様がありますが、しま様の濃淡には個体差があります。
しっぽの根本から先にかけて徐々に黒の割合が多くなりますが、先端は黒一色になることがほとんどです。
キジトラは原種とされるリビアヤマネコに似ており、野生の本能がもっとも色濃く残っているといわれています。
キジトラの性格
祖先のリビアヤマネコの性質を受け継いでいるといわれており、野生的な性格です。
なので、警戒心が強く好奇心旺盛でやんちゃな子が多いようですが、賢い性格です。
サバトラ
サバトラは全身シルバーグレーがベースで黒いしま模様が入っており、その名の通り魚の鯖に似ています。戦後に洋猫との交配で誕生したようで洋猫の遺伝子を持ち合わせています。
シルバーは遺伝子的に見ると珍しいようで個体数は他の柄と比較すると多くありません。
鼻は茶色かこげ茶で肉球はこげ茶か黒が多いです。しっぽの先端が黒くなっていることがほとんどです。
サバトラの性格
警戒心が強い子と人懐っこい子のように両極端に性格が分かれる傾向で、オスとメスとでも異なります。
オスは甘えん坊で好奇心旺盛ですが、メスは落ち着いていてクールな子が多いです。
茶トラ
茶トラは全身オレンジ(薄い茶色)がベースで濃いオレンジのしま模様が特徴です。
鼻はピンクや茶色で肉球はピンク色が多いです。しっぽの先は色が薄いことが多いです。
茶トラの性格
茶トラの性格はおとなしく、温厚な子が多く、攻撃性が少ないです。また、とても甘えん坊です。
フレンドリーで猫を飼う初心者の方でも飼いやすいとも言われています。また、食いしん坊な子が多いので肥満になりやすいです。
③2色(バイカラー)
2色の被毛をもつ猫はバリエーションが多いです。
サビ猫
サビ猫は茶色と黒の錆びついた色が特徴です。別名、べっ甲猫とも言われます。複雑な柄ゆえに一匹として同じ柄が存在しない唯一無二の猫です。
肉球は被毛と同じように黒や濃い茶色、ピンクが混ざった色合いをしています。
遺伝子の関係上、ほとんどメスに限られます。
サビ猫の性格
性格は人の好き嫌いがはっきりしていてマイペースな子が多いです。
また、少しわがままな傾向があり、お姫様気質ですが、とても賢いです。
ブチ猫
ブチ猫は黒と白の2つの毛色をもつ猫を指します。
黒の割合が多いか白の割合が多いかで呼び名や性格が変わりますが、どちらもお腹は白いのが特徴です。ブチ猫は柄の入り方によって、牛柄・タキシード・ハチワレなどと呼ばれる模様があります。
ブチ猫の性格
黒か白か、どちらの割合が多いかによって、多い色の性格に似ているようです。
つまり、白が多ければ警戒心が強くクール、黒が多ければ甘えん坊で穏やかな傾向にあります。
④3色(キャリコ)
3色の被毛をもつ猫といえば三毛猫です。茶、黒、白の3色があるのが特徴で色の濃さや柄も様々。白ベースに黒や茶色のまだら模様が広がっているのが特徴ですが、黒ベースの個体もいます。
サビ猫と同様に三毛猫も遺伝子の関係上、ほとんどメスに限られます。また、オスは3万匹に1匹程度といわれています。
全体的に淡い色の三毛猫をパステル三毛猫、しま模様が混ざっている三毛猫を縞三毛と呼びます。
三毛猫の性格
三毛猫の性格は好き嫌いがはっきりしていて、プライドが高いお姫様気質な子が多いです。
“気まぐれな性格”という猫の性格のイメージ通りです。
オススメ
我が家の愛猫おこげさんは黒三毛猫です。日本猫ではなくマンチカンですが、マンチカンの特徴である短い足にはある秘密があることを知っていますか?
ジャパニーズ・ボブテイルって?
日本猫だけでなく、ジャパーニーズ・ボブテイルという種類を耳にしたことがある人もいるでしょう。
特徴としてウサギの尻尾のように、尻尾が短く丸まっており、長毛種も短毛種も存在します。
ジャパニーズ・ボブテイルは日本猫を起源としていますが、純血種として保護されているため、厳密には日本猫ではありません。日本を訪れたアメリカ人のブリーダーが尻尾の短い猫を気に入り、米国で繁殖し始めたようです。
その後、1976年にはCFA(The Cat Fanciers’ Association)に登録されて、名前が世界中に広まったことから国外で手厚く保護されてきました。ある意味、逆輸入のような状態ですね。
日本猫を飼うには?
先ほど説明した通り、日本猫は特定の品種ではなく、昔から日本に多く生息して自然繁殖している猫を指します。
なので、日本猫を飼いたいと思ったら保護猫として出会うことが多いと思います。
保護猫を迎える方法について
また、ジャパニーズ・ボブテイルは日本猫を起源としていますが、純血種として保護されているため、厳密には日本猫ではありません。
ですが、ジャパニーズボブテイルをお迎えする場合は、純血種なのでペットショップやブリーダーとコンタクトをとりましょう。
まとめ
日本猫とは特定の品種ではなく、昔から日本に生息している猫です。雑種と混合しがちですが、異なる純血種同士から生まれた子は日本猫に含まれません。
今回は日本猫の大まかな4種類を説明しましたが、その中でもさらに細かい種類が存在します。人間と猫は遥か昔から一緒に生活してきたということがわかりました。
今回の内容を参考に飼い猫や周りの猫をよく観察してみてください!
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