飼い猫が壁や家具を爪とぎして困ったことはありませんか?
猫にとって爪とぎは必要な行為の1つです。定期的に爪を切っているのにどうして爪とぎをするのでしょうか?
また、爪とぎで困っている飼い主さんや今後、猫を迎えるにあたって心配している方がいると思います。
ここでは、そんな方達へ向けて猫が爪とぎをする理由や対策を紹介します!
爪とぎをする理由
一般的に猫は生後2ヶ月ごろから爪とぎをするとされています。
猫が爪とぎをする理由は以下の4つがあります。
①爪のケア
猫はもともと野生で狩りをしており、爪が重要な武器です。その名残で爪とぎをするといわれています。
また、高い場所に登る場合にも爪は重要な役割をします。
猫の爪は玉ねぎのように何層にも重なった構造をしています。
爪とぎをすることで表面の古い爪を剥がして鋭く尖った新しい爪に保っています。
②マーキング
猫に限らず、動物はにおいを付けることで、縄張りや自分の存在をアピールします。
マーキング行為はおしっこをかける行為を想像しますが、顔をスリスリする仕草や爪とぎもマーキングの一種といわれています。
肉球には、特別なにおいを出す臭腺が存在します。このにおいを爪とぎで特定の場所に付けることにより縄張りを主張します。
爪とぎを高い位置にすることで自分の体の大きさや強さをアピールしているようです。
③気分転換、ストレス解消
気分を落ち着かせたい時やストレスを感じた時に爪とぎをすることがあります。
必要以上に爪とぎをしている場合は、猫がストレスを感じているサインです。
また、飼い主が帰ってきた等の嬉しい気持ちを抑えるために爪とぎをすることがあります。
④自己アピール
遊んで欲しい時や、ご飯の要求する時に爪とぎをしてアピールする場合があります。
飼い主のそばで爪とぎをすることで自分に注目してくれると理解しているかもしれないですね。
また、爪とぎをされると困る場所で爪をといで怒られた=かまってくれたと認識している可能性があります。
人間にとって困る場所で爪をとがれないためにも、普段から猫ちゃんに構ってあげたり爪とぎ防止策を考えましょう。
爪とぎの選び方
爪とぎは素材や形、価格など種類が豊富です。どの素材が一番気に入ってくれるのかが最も重要です。
まずは、どんな素材・形状があるのかを知っておきましょう。
爪とぎの価格は幅広いため、好みがわかるまでは安価なものを使うのをオススメします。
ダンボール
爪とぎ=ダンボールというイメージが多いでしょう。
また、価格も比較的安価で手に入りやすいです。最近は100円ショップなどでも販売されています。
オススメ
ダンボールタイプの爪とぎでオススメなのが、こちらの猫壱のバリバリボウルです。
お椀のような形なのでデメリットだった、ダンボールのカスが飛び散りにくい構造をしています。
また、別売りで爪とぎ部分のみを2個セットで販売しているので、交換がダンボール部分のみで済むのが嬉しいです。
麻素材
麻の繊維は非常に強い耐久性があり、さまざまな分野で利用されています。
キャットタワーの柱にもよく使われている麻ですが、耐久性が高いためランニングコストを抑えやすいです。
ダンボールと違って研ぎカスが出ないのが特徴です。
麻の素材のトレイ型や布などがあり、爪とぎして欲しくない所を布で覆ったりすることもできます。
オススメ
鍋型で底の部分が直径29cmと大きめなので、大型の猫でもこの中でくつろぐことができます。
また、爪をといでもとぎカスが出ないのでこまめな掃除も必要ありません。
裏面が滑りにくいラバー加工が施されているのでフリーリングでも床が傷つきにくいです。
木製
猫の祖先であるリビアヤマネコは外で暮らしていたため、木の幹で爪をといでいたようです。
なので、木製の爪とぎは木の感触が好まれるようです。
硬さがあり耐久性に優れているため、木もランニングコストを抑えやすいです。
ご自宅の柱が、木の材質そのままの場合は爪とぎスポットになるため、要注意です。
爪とぎの形状
爪とぎの形状は様々あります。
猫の体型や好みに合わせるのはもちろんですが、お部屋のインテリアにあったものを選ぶのもいいですね。
地面でとぐタイプ
床にそのまま置くので、上に乗って使うタイプです。
長方形のシンプルなものからソファの形をしたおしゃれなものまで様々あります。
ソファなどの爪とぎらしくない形はインテリアにも馴染みやすく、その上で寝ていたりすると思わず写真を撮ってしまいます。
オススメ
爪とぎに見えないため、お部屋のインテリアとも馴染みやすいです。
この中に入ったり、上に乗ったりする姿はとても可愛いので写真の撮りすぎに注意です。
また、8面で爪をとげるようになっているのでコスパが高いです。
立ったままとぐタイプ
立ったまま爪をとぐのが好きな子にオススメです。
壁やソファーに設置したり、キャットタワーのように置いて使うタイプなど様々あります。
爪とぎに見えない可愛い形や人参などをモチーフにした支柱タイプもあります。
典型的な爪とぎが嫌でおしゃれなものがいい方にはオススメです。
オススメ
猫が体を伸ばしても爪をとげるように高さが60cmに設計されているため、基本的にはどの猫でも問題ないです。
ただ、大型猫によっては小さめかもしれません。
組み立てはシンプルで、2本の爪とぎポールは上下・天地を入れ替えて交換可能です。
また、別売りで交換用の爪とぎが販売されているのも嬉しいですね。
交換用の爪とぎにはネジや六角レンチは付属していないので本体を買ったら、無くさないように保管しましょう。
爪とぎされにくい素材
爪をとがないように猫に説得することはできません。
ですが、猫が爪をとがないように壁や家具に工夫することはできます。
漆喰
漆喰は日本の伝統的な壁材です。お城の壁にも用いられる程、昔から馴染みのあるものです。
オーガニックな壁材のためペットにも安心です。
一般的な塗り壁に比べると硬いですが、コンクリート程の強度はありません。
日常的に使うには十分な強度ですが、全く傷がつかないというわけではないので気をつけましょう。
タイル
硬く、滑りやすいので爪をとぎにくいです。
猫の爪程度であれば、基本的にどのタイルでも傷の心配はありません。
安価なものであれば、ホームセンターなどでも扱っているため、傷ついた壁を隠す用途としても使えます。
コンクリート
コンクリートは強度が強く、道路や橋に使われているため耐久性に優れています。
爪を立てても抵抗が強いため、爪をとぎにくいです。
猫が爪とぎをしたくなる場所4選
猫には爪とぎをしたくなる場所があるといわれています。
その習性を利用して、爪を研ぐ場所を誘導し、家や家具を傷つけないように対策しましょう。
①玄関や窓の周辺
玄関や窓は外のにおいがするので爪とぎをしたくなるようです。
自分のにおいを上書きすることで「ここは猫の場所!」とマーキングをしているようです。
②部屋と部屋の境目(ドア周辺)
こちらも同様にマーキングの意味があります。
また、飼い主さんが部屋に入ってきた時には遊んでほしいアピールや、嬉しい感情を抑えるために爪とぎをしているようです。
③部屋の出っ張っている壁
垂直面は猫にとって爪とぎしやすく、ザラザラとした壁の素材的にも猫の好みです。
また、部屋の中で出っ張っている壁は存在感があり、猫にとって最適な爪とぎスポットになりやすいです。
④周囲が開けた目立つ柱
こちらも出っ張っている壁と同様、猫に好まれます。
また、元々猫は木の幹で爪とぎをしていたので材質的にも最適な爪とぎスポットです。
壁や家具に爪とぎをした時は叱る?
爪とぎ以外の場所でしてしまった場合に叱っても意味はありません。
猫はどうして叱られているのかがわからず、ストレスを感じたり人間を怖がり逆効果になる場合があります。
また、かまってもらえたと勘違いして余計にヒートアップする場合もあります。
壁や家具で爪をといでしまった時は爪とぎが古くなっていないか、猫が構ってほしいサインかなどを見極めて対策しましょう。
爪とぎ被害の予防対策
壁や家具への爪とぎを完全にやめさせることは難しいです。
壁や家具を傷つける前に爪とぎ防止グッズを活用しましょう。
爪とぎ保護シート
爪を研いで欲しくない場所にシートを貼り付ける方法です。
透明なツルツルシートがオススメです。
保護シートは表面がツルツルしていることで爪をとがせないものです。壁や柱、家具の側面に貼り付けやすいですね。
また、ソファなど家具に保護シートを貼ることが難しければ、傷ができにくいソファカバーに替えたり、上からブランケットをかけて隠すのも1つの方法です。
オススメ
壁紙をボロボロにされる前に貼っておくと安心です。
特に出っ張っている壁は最適な爪とぎスポットになりやすいので、事前に対策しましょう。
ツルツルしているので爪がとげずに諦めてくれます。
透明なので白い壁なら目立ちにくいですが、ツルツルしているタイプなのである程度は貼っていることがわかります。
爪をとがせる素材
こちらは逆に爪をとがせるものです。
爪がとげる素材を貼っているため、壁や家具を傷つけることなく、猫ちゃんも引き続き爪をとぐことができます。
また、椅子の脚や壁の角など保護シートを貼りにくい場所ではオススメです。
麻の生地や木でできている物が多いため耐久性が高く、交換の頻度は少ないです。
すでに傷がついてしまった場所を隠すこともできます。
オススメ
我が家の愛猫おこげさんは爪とぎが好きなので、あえて爪をとげるようにしています。
部屋の壁の角にこの爪とぎを、両面テープ使用して(付属していません)貼り付けることで爪とぎができます。
S〜XLサイズまであり、用途や場所に合わせて使いやすいです。
ネイルキャップ
ネイルキャップは専用の接着剤を使用して、爪に装着するカバーです。4〜6週ほどで自然と取れるため再装着する必要があります。
海外では一般的ですが、日本での知名度は低い印象です。
キャップをしているので壁や家具が傷つくことは防げますが、猫にとってはストレスを感じたり、誤飲癖のある猫には要注意です。
なので、爪とぎ防止としての利用はオススメできません。
ですが、動物病院では痒みの影響での自傷予防として使われることもあるようです。
危険なものではないため、猫の性格や用途によっては有用なアイテムです。
まとめ
猫にとって爪とぎは必要な行為です。
爪とぎ自体をやめさせることはできませんが、猫の心理を理解してそれに合わせて対策することが必要です。
人間優先、猫優先ではなく両者とも心地よく生活するにはどういう環境が重要なのか見直してみましょう。
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