まずは、保護猫を飼うという選択をしてくれてありがとうございます。
これからお互いが安全に暮らすためには環境がいいでしょうか?
お迎え前に準備するもの、慣れてから準備するものを紹介します。また我が家でかかったさまざまな費用を公開します。
家にお迎え当日までに用意する物
まずは、譲渡が決まってからお迎え当日までに準備しておくものを紹介します。
キャリーバック
家に連れて帰るためにキャリーバックは必ず必要になります。連れて帰る時だけでなく、動物病院へ行く時にも使うので飼い主さんの生活スタイルを考慮して選ぶことをオススメします。
キャリーバックは、様々な形や機能のものがあるので何がいいのか迷いますよね。それぞれの特徴と使いやすい場面を説明します。
キャリーバックは『ハードタイプ』と『ソフトタイプ』に分かれます。猫の種類・性格、使用目的でどちらがいいか選びましょう。
ハードタイプ
ハードタイプは、耐久性が高く、壊れにくいのが特徴です。大型猫や力の強いオス猫、攻撃性が高い野良猫でも安心です。
また、車や電車での移動が多い場合にオススメです。車ではシートベルトで固定できたり、頑丈なので複数個を積み上げることができます。公共交通機関はサイズや重量制限が決まっているので持ち込む際には、事前に確認しましょう。
災害時にはケージの代わりに使用したり、新幹線・飛行機での移動は長時間、入っているので形態が安定していると猫も安心します。
ソフトタイプ
ソフトタイプの1番の特徴は軽いことです。布製なのでキャリーケース自体の重さはほとんど感じません。また、畳むことができるタイプが多く、収納性が高いです。
肩掛けタイプやリュックタイプなど様々な形があるので、移動が電車・徒歩、移動距離が短い場合にオススメです。
ハードタイプとソフトタイプを比較した、それぞれの特徴をまとめてみました。
ハードタイプ | ソフトタイプ | |
猫の体格 | 大型猫や野良猫 | 大人しい猫や子猫 |
特徴 | 頑丈 | 収納しやすい |
移動方法 | 車や電車 | 徒歩 |
耐久性 | 高い | 低い |
重量 | 重い | 軽い |
トイレ
猫にとってトイレ環境は非常に重要です。トイレ・砂の種類、大きさなどさまざまで、1匹1匹好みがあります。
好みでないトイレを設置すると猫は排泄を我慢して病気になることも。また、泌尿器系の病気は猫にとって発症しやすいと言われています。
お迎え前に猫の好みのトイレが分かれば1番良いですが、好みがわからない場合があるでしょう。
一般的に猫は大きめのトイレで、猫砂は鉱物系を好むとされているので、そのようなトイレを準備しましょう。
設置して終わりではなく、その後もトイレ環境が適切なのか・苦手なトイレではないのか等しっかり観察しましょう。
爪とぎ
猫にとって爪とぎは欠かせない行為の1つです。また、部屋の壁や家具を傷つけられないためにも爪とぎが必要です。
爪とぎには材質種類としてダンボール・麻・木製や、種類として上に乗ったり立ったままといだりとさまざまあります。
猫の好みに合わせて複数個準備しましょう。
爪とぎについて
食器・給水器
お迎えする猫の体格に合わせたサイズを準備しましょう。
子猫だと小柄なので平たいお皿のような高さの低いもの、成猫・シニア猫では食事のかがむ姿勢は良くないので高さのある食器や食器台を用いましょう。
また、給水器にもさまざまな種類があります。猫はもともと水をあまり飲まないと言われています。ですが、動物にとって水は不可欠であり体内の水分量が少ないと病気になる可能性も。
水を飲むことが少ない猫に水を飲ませることは、飼い主さんの悩みの1つです。
なので、爪とぎと同様に好みに合わせたものを設置しましょう。
水を飲ませる方法・給水器の種類について
ご飯・おやつ
ご飯には総合栄養食、おやつ、療養食、目的食などさまざまあります。基本的にご飯は総合栄養食をあげましょう。おやつだけでは、十分な栄養が摂取できないので決まった時間に総合栄養食を、おやつはご褒美で1日1回程度にしましょう。
お迎えした時のご飯は、もともと食べていたものを準備しましょう。猫はご飯が変わると食べなくなることが多いです。
猫は環境が変わることに対して非常にストレスを感じて、食欲や元気がなくなってしまいます。今まで過ごしていた環境から大きく変わるだけでもストレスを感じるので、ご飯は食べ慣れているものを用意しましょう。
また、ご飯を変えるときは1週間から10日かけて徐々に変えたいご飯の量を増やしましょう。
ケージ
知らない環境でも安心して落ち着ける場所として、ケージの設置をオススメします。ケージは猫用のもので3段あると理想です。猫は上下運動が必要なので、幅広いものより高さのあるケージにしましょう。
また、警戒心の強い猫を安心させるために、目隠しとして布でケージを覆い被すことをオススメします。そのために大きめの布を準備しましょう。
猫が環境に慣れてきたらケージに自由に出入りできるように、ケージを閉じる時にはなるべく短時間で必要最低限にしましょう。
ケージは今後もずっと使うというより、環境に慣れるまでの一時的な場所として用いましょう。自由に出歩けないケージに長時間いることはストレスを感じます。
環境に慣れてから準備するもの
事前に準備する必要性は低いため、今後買い足したほうがいいものを紹介します。
キャットタワー
猫はじっと動かずに寝ている印象だと思いますが、遊ぶことが好きです。また、運動不足になると肥満や病気につながる恐れがあるので、上下運動できる環境を整えましょう。
猫はある程度、環境に慣れたら自分のお気に入りの場所を探します。その際にキャットタワーのような高さがある場所が必要です。
子猫では必要性は低いですが、成猫の場合は設置をオススメします。猫の体格に合わせて準備しましょう。
おもちゃ
キャットタワーのような上下運動できる環境だけでなく、おもちゃも用いて遊んであげましょう。おもちゃの種類もさまざまあります。猫じゃらしのようなものや、自動のおもちゃもあります。
おもちゃは消耗品なので、さまざまな種類のものを準備しましょう。
注意点として、破損すると誤飲の危険があるので、壊れたら新しいものに取り替えましょう。
ケア用品
猫にケアは必要不可欠です。猫は爪とぎをするので、放置していると鋭く長くなり危険です。お互いの安全のためにも定期的な爪切りをしましょう。
爪切りを嫌がって飼い主ができない場合はペットサロンや動物病院でお願いしましょう。
猫は1年中、毛が抜けるのでブラッシングが必要です。猫は自分の体を舐めることで、体内に毛玉ができます。毛玉の予防として定期的にブラッシングをして抜け毛を取り除いてあげましょう。
必要性の低いもの
逆にシャンプーなどの用品は必要性は低いです。水に濡れることを好む猫は少なく、ほとんどがストレスを感じます。体が汚れてどうしても洗わなければならない時のみ準備しましょう。
猫の性格によって必要な優先順位が変わります。また、猫は好き嫌いが激しく、昨日まで食べていたご飯や遊んでいたおもちゃに、急に反応しなくなるなどはあるあるです。
猫の好みはコロコロ変わります。猫の体格や好みに合わせて徐々に買い足しましょう。
費用
猫の生涯かかる費用は200〜250万円と言われていますが、初期費用や医療費によっては金額が変わるので参考程度に。
初期費用
譲渡・お迎え費用は価格の幅が広いです。例えばペットショップでのお迎えでも価格の幅があります。猫種によって異なりますが、5万円〜50万円程。
我が家は保護猫カフェから譲渡してもらい、譲渡費用として、6.5万円でした。ですが、保護施設によって譲渡費用は異なります。
マイクロチップ
我が家ではマイクロチップの装着をしています。保護猫カフェからの譲渡条件の1つにマイクロチップの装着があったことと、万が一脱走した場合に備えています。
実際にかかった費用は、マイクロチップ挿入では4,000円、データ登録料で1,050円でした(2022年3月時点)。
マイクロチップについてはこちら
毎月かかる費用
毎月かかる費用として、食費・消耗品としてトイレ用品・おもちゃ・おやつ、ペット保険などがあります。我が家の月毎の費用を紹介します。
食費
食費はドライフードのみ、ウエットフードと一緒になど、どのようなものを与えるかによって金額は異なります。ドライフードのみでは2,000円〜3,000円ですが、1ヶ月の食費平均5,000〜6,000円といわれています。
我が家では、尿石症の治療のために食事療法を行っているので、6,700〜8,800円です。
消耗品
次に消耗品ですが、トイレ用品・おもちゃ・おやつなどがあります。トイレ用品は使っているトイレの種類によって異なります。我が家ではシステムトイレを使っているので、猫砂は約1,500円、シート約1,000円です。
おもちゃは毎月消耗しているわけではありませんが、100〜2,500円ほど、おやつは300円〜1,000円ほどです。
光熱費
猫と暮らすため、適切な環境にするために温度設定は重要です。個体差はありますが、適切な室温は25℃前後といわれています。
外出時でも冷暖房はつけたままになります。なので、我が家では6,000〜8,000円/月ほどです。
医療費
次に医療費です。子猫か成猫か、病気を持っているかなどの猫の状態や、動物病院によって価格は異なります。適齢期であれば避妊・去勢手術が必要になります。
予防接種のワクチンにはさまざまな種類があり、価格は2,500円〜8,000円と幅広いです。
ワクチン接種は猫の状態にもよりますが、定期的な接種が望ましいとされています。我が家では3種混合は毎年接種しており、価格は3,000円です。
我が家の愛猫おこげさんは保護当時から右耳の奇形があり、炎症を繰り返していました。なので、お迎えして約1年ほどは耳洗浄と点耳薬を使用していました。その時、1回の受診にかかった費用は
- 耳洗浄 1,500円
- 耳垢検査 500円
- 薬剤処方 300円
- 点耳薬 3,750円
計6,050円でした。
現在は尿石症の治療をしており、尿検査費は2,500円です。数値の増減があるので月に2回行う場合もあれば、2.3ヶ月に1回の場合もあります。
また、夜間診療にかかったことがありました。夜間診療は通常診療より価格が高い場合がほとんどです。その時の費用は、
- 夜間診療 10,000円
- 採血 1,500円
- 血液検査(4種) 12,700円
- 超音波検査 4,000円
- 皮下注射 1,200円
計32,000円でした。
ペット保険
我が家では、保護猫でも加入できるペット保険を利用しています。お迎えした翌日から保証開始され、先天性障害など保証特約が付帯しており、保険料が年齢が上がっても変わらないという特徴の保険です。価格は約3,500円/月と高めですが、補償割合100%なので治療実費が支払われます。
我が家の場合は、譲渡のときにペット保険の加入をオススメされました。結果として加入してよかったと感じています。
現在治療している尿石症は、膀胱炎の発症がきっかけでした。夜間診療にかかったときのような、急な出費に対して補償があるので、そこまで負担ではありませんでした。
保険会社によって補償内容が大きく異なるので、加入する際はどこまで補償してくれるのか確認しましょう。
まとめ
お迎えにあたって必要な商品と具体的な費用について紹介しました。あくまでも我が家でかかった費用ですが、参考にしてみてください。
これから一緒に暮らすために試行錯誤しながら、どういう環境が適切なのか考えることが重要です。我が家も今の環境が適切なのか、常に試行錯誤しています。
お互いが安心して暮らしやすい環境をつくっていきましょう。