猫の好きな色は○◯⁉︎意外な理由とネコの目の特徴も合わせて徹底解説!

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以前まではネコに色覚がないといわれていましたが、最近の研究ではネコは色を識別できると報告されています。では、ネコは景色や色をどう見ているでしょうか?

好みの色や苦手な色など、ネコに関する色について解説します!

目次

ネコは目がわるい?

獲物やおもちゃに勢いよく飛びつきハンティング能力が高いネコですが、日中の視覚はヒトより劣っていることを知っていますか?

実はヒトの10分の1程度の視力しかなく、視界はぼやけています。数メートル先までしか見えておらず、人間で例えると近視です。動きを認識することは得意ですが、静止しているものは苦手なようです。

また、ネコが最も鮮明に見える距離はおよそ25〜75cm程度といわれており、狩りのために正確に獲物を追いかけられるよう、あえて近視に進化したようです。

しかし、ネコは光が少しでもあれば周りを見ることができます。ネコはヒトの1/6程度の光量でも周りを認識できるといわれているので、近視でも暗がりで狩りができるのです。

ネコの目はなぜ悪いの?

もともと狩りをしていたネコにとって色の識別は重要ではありません。狩りをしていた名残で色より光を捉える機能が優れています。また、目の構造も視覚に影響しているようです。

ネコの目の特徴

ネコの視力がよくない理由の1つとして目の構造が関係しています。おおきく3つの要素があります。

  1. 反射板のようなタペタムが光の反射をたくさんするので、目にうつるものがぼやけてしまう
  2. 明暗を感知する杆状体(かんじょうたい)がヒトより多く、ぼやけてしまう。逆に色覚をつかさどる錐状体(すいじょうたい)の数が少ない。
  3. 光を集めるために水晶体が大きいが、焦点の調節が上手ではない

上図のようにネコの目にはタペタムと呼ばれる反射板が存在します。ネコの写真を撮るときに目がキラリと光っている時がありませんか?これはタペタムに光が反射すると起こるので、夜に懐中電灯などで照らしても同様に光ります。

色覚をつかさどる錐状体については次の色の見え方で詳しく解説します。

ネコの目を横からみた状態をビー玉で例えるくらいに、ネコの目は透けて見えます。少ない光を捉えるために水晶体と呼ばれるレンズを大きくし、角膜が厚いです。光は捉えやすいですが、焦点の調節が難しく近視になっています。

反射板の役割をするタペタムはネコ以外の動物にも存在しますが、人には存在しません。

色の見え方

目の中には明暗を感じる細胞と色を感じる細胞があります。それぞれヒトにもネコにも存在しますが、数が異なります。ヒトと比較すると、杆状体(明暗を感じる細胞)が多く、錐状体(色を感じる細胞)が少ないといわれています。

錐状体には3種類あり、目から入ってきた光を電気信号に変換し、細胞から脳へと情報伝達することで色を認識します。ヒトは3つの錐状体が正常に働いているとされており、“三色型色覚(さんしょくがたしきかく)”と呼ばれます。

イヌやネコは“二色覚(色盲)”と呼ばれ、錐状体の1つが機能していないです。なので、ヒトとネコとでは色の見え方が異なっています。

ヒトよりくすんで見えており、紫・青・黄色は識別できますが、赤・緑ははっきりと識別できないといわれています。

緑も識別できているという説もあります。

動体視力

動体視力とは、動いているものや動きながらものを認識する視力を意味します。ヒトにも存在し、スポーツ選手にとって重要な能力ともいわれます。

動体視力もネコの狩猟に大きな影響を与えています。おもちゃで遊ぶと急に飛びかかってきたり、素早くキャッチしたりと的確なハンティングを可能にしています。

また、ヒトの約4倍も動体視力が優れているといわれており、ネコが動くものに敏感なのは納得がいくでしょう。

蛍光灯は1秒間に50〜60回点灯しているといわれています、ヒトには蛍光灯の点滅を認識できないので常に光っていると感じますが、ネコにとってはチカチカと点滅を認識できます。蛍光灯やTV画面を嫌う猫も少なくないとのこと。

反対に動体視力が優れているネコにとって、動きがゆっくりなものは静止して見えているようです。

猫が好む色

では、認識できる色がわかったところで猫の好みや苦手はあるのでしょうか?

個体差があるのであくまでも一般例ですが、認識できる紫・青・黄色のおもちゃの反応がよいネコが多いようです。また、実際の例としてある色をきっかけにヒトとネコの距離が縮まったエピソードがあります。

2022年2月13日 日本テレビ放送のI“ LOVEみんなのどうぶつ園”から、お笑い芸人サンシャイン池崎さんが保護猫の豆大福の預かりボランティア中のできごとです。まだヒトに慣れていない保護猫の豆大福が池崎さんの青いダウンジャケットをきっかけに、距離を縮めていきました

オススメ猫じゃらし

我が家の愛猫おこげさんも青色の猫じゃらしでよく遊びます。色だけでなく、キラキラテープのシャカシャカ音がなるので興味をひきやすく、食いつきがいいです。

ネコが認識できる色を好むネコは多いようですが、認識できないといわれている色を好むネコもいます。

ネコは赤色が見えていないといわれていますが、なかにはピンクのおもちゃを好む猫が多くいるようです。ネコの好みの色については個体差がわかれる印象です

ネコの認識できる色に関してまだ謎が多いので、これからの研究に期待したいですね。

猫が苦手な色

ネコに限らず、黒を苦手とする生き物は少なくありません。はっきりとした理由はわかっていませんが、威圧的な印象や天敵となる生き物を連想するのなどの説があります。

また、ネコは身の回りの色がはっきり見えない代わりに、紫外線を認識できると言われています。紫外線を認識できる生き物はイヌ・ネコだけではありません。ハチも紫外線を認識できると報告されており、ハチは黒・紺などの濃い色に対して攻撃してくる習性があるといわれています。

ハチの中でもミツバチの色彩感覚についての研究では、動物研究科学者でありノーベル生理学賞・医学賞を受賞しているカール・フォン・フリッシュが、ミツバチは紫外線に敏感な感覚があり、赤は見えていないと報告しています。

ネコも赤が認識できない代わりに紫外線が認識できるので、同じように黒などの濃い色が苦手なのかもしれないですね。

目の色

ネコはさまざまな色の被毛がありますが、目の色も種類があります。

目に色がついているのはなぜ?

そもそも、目の色を決める構造は虹彩(こうさい)と呼ばれ、瞳孔を取り囲む薄い円形の構造物です。虹彩には目の色を決定する色素細胞が含まれています。

虹彩のメラノサイトのメラニンが少ない場合は目の色が薄く(ブルー・グリーン)になり、色素が多い場合はカッパー(銅)になります。虹彩のメラノサイトが光に当たると散乱・反射し、色付いて見えます。その現象をレイリー散乱と呼びます。

例えば空の色も同じようにレイリー散乱が起こっています。青色の空が朝焼け・夕焼けには赤くなるのはレイリー散乱の影響を強く受けています。

色の種類

先ほど紹介した通り、ネコの目の色は虹彩のメラニン量によって決まります。目の色はおおむね、メラニンが少ない順にグリーン→ヘーゼル→イエロー→アンバー→カッパーへと変化していきます。では実際にネコの目の色の種類を紹介します。

グリーン

メラニン色素にはグリーンの色素は存在しません。メラニン色素と光の関係でグリーン色に見えています。最もメラニン色素が少ないと目の色はグリーンに近づきます。

グリーンは寒い地域の猫に多いとされており、ロシアンブルーやベンガルに多いです。

ヘーゼル

目の外側が薄いブラウンやイエロー、内側がグリーンといったグラデーションです。目の中がグラデーションになっているので、複数色存在します。

グリーンの目と比べるとメラニン色素はやや多いです。色の出方には個体差があるので、ブラウンが強調されて見える子がいます。

アンバー(イエロー)

アンバーとは“琥珀”という意味を持ち、単一色の黄色が特徴です。イエローやゴールドと呼ばれることもあります。

メラニン色素が少し多めで、色の出方によっては淡い色からゴールドに近い色までさまざま。

カッパー(銅)

カッパーは“銅“を意味し、最もメラニン色素を含んでいます。銅といっても色味としては、濃いオレンジ〜茶色程度です。温暖な地域に生息しているネコはカッパーが多いといわれているとか。

ボンベイやブリティッシュショートヘアによく見られます。

ブルー

ブルーはグリーンと同様に、メラニン色素が少なくレイリー散乱の影響を受けています。色素が極端に少なく、空が青く見えている時と同様の状態です。

青色にも濃淡があり、アクア→ブルー→サファイアブルーと順に青色が濃くなります。

シャム猫やペルシャ、ヒマラヤンなどで多く見られます。

白い毛に青い目のネコは難聴になるって本当?

白い毛と青い目を持つネコはメラニン色素がかなり少ないといわれています。60〜80%で聴覚障害がみられると報告されていますが、白いネコ自体に先天性の聴覚障害を持つ場合が多いようです。

シャム猫の目に位置がおかしいのはケガをしたから?

シャム猫は内斜視(寄り目)になりやすいといわれており、ほとんどが先天性の遺伝子疾患です。内斜視のまま生まれるわけではなく、生後6〜8ヶ月ごろから症状が現れるようです。

また、ケガをしてから内斜視になる場合もあります。後天性の場合は、見えている視界が以前と異なるので距離感が掴みにくく、ぶつかるなどのケガをしやすいといわれます。先天性の場合は慣れているので日常生活での支障は少ないようです。

成猫になって目の色が変わるのは病気?

子猫の時だけ青い目を持つ場合があり、“Kitten Blue(キトンブルー)”と呼ばれます。生後まもなくの子ネコにはメラニン色素が少なく青色に見えますが、成長につれてメラニン量が増えると本来の目の色に変わります

生後3〜4週を過ぎると目の色が変わるといわれますが、変わらない場合もあります。

オッドアイ

オッドアイとは、左右の瞳の色が違う状態を意味します。正式名称は「虹彩異色症」と呼び、先天的な遺伝子異常で、出現する割合は全体の1割以下とかなり低いです。

オッドアイは片方はブルー、もう片方はアンバーやカッパー(赤みを帯びた茶色)になるのが特徴です

先ほどブルーを持つネコは先天的な聴覚障害を有すると説明しましたが、オッドアイも片方はブルーの目になります。なので、ブルーの目と同じ側の耳が聞こえなくなることが報告されていますが、当てはまらない場合もあります。

ネコの目に関してはまだまだ謎が多いですね。

まとめ

ネコは紫・青・黄色は見えており、赤色は見えないことがわかりました。また、近視ですが、動体視力が優れていたり光が目に入ってきやすい構造をしているので生活には支障ないようです。見えている色に限らず、好みの色は個体差によって大きく異なります。

また、ネコの目はメラニン色素とレイリー散乱という現象で、目が色づいて見えています。ネコの種類・遺伝子によって目の色や特徴が異なりますが、まだまだ謎が多いようです。

あなたの身の回りのネコはどうでしたか?この記事が参考になっていたら嬉しいです。

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この記事を書いた人

保護猫おこげと2人暮らし。1匹でも多くの保護猫が安心して暮らせる未来を。
ネコのために働く、病院勤務のライターです。

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