この記事を読んでいる方は今現在、子猫を見つけたけどどうしたらいいのかわからない状況でしょうか?
今保護するべきなのか、どうなのかをもとに解説しますので焦らずに自分の状況と照らし合わせてみてください。
保護した瞬間から責任が伴う
まず、保護しようとしている子ネコを今後も責任をもって面倒みれますか?
これはこのまま飼い続けましょうという意味ではありません。一時的な保護だとしても動物病院の受診、飼育費、お世話する時間の確保などが想定されます。今この瞬間だけどうにかしたいと思っているのであれば、あなたが保護することはあきらめましょう。
その代わり、負傷したネコや育児放棄など飼い主不明の子ネコは保健所・動物愛護センターが引き取ってくれます。あなたが譲渡までお世話をすることができないのであれば、保健所・動物愛護センターへ相談しましょう。
残念な話ですが、保健所や動物愛護センターで引き取られた後は1週間程度の収容期間があり、期限を過ぎると殺処分対象となります。
子ネコの状態を確認する
あなたが今、どういう状況でネコを保護するかによって変わりますが、まずは動物病院へ連れて行きましょう。元気そうに見えても後々重篤な症状が現れる場合があります。
動物病院の受診
動物病院を受診するまでに準備するステップを紹介します。
ネコをそのまま動物病院へ受診することは避けましょう。ノミ・ダニは遠くまで飛ぶことができ、人にうつる可能性があるので、猫を触った後は手洗いを徹底しましょう。また、ネコに触れるもの(例えばタオルやクッションなど)は、再利用せず捨てても構わないものを使いましょう。
外で暮らしていたらノミ・ダニ・寄生虫や病気にかかっている可能性があります。すでに動物病院へ受診している他のイヌネコへの被害を出さないためにも、受診前に「保護したネコ」という情報を必ず伝えましょう。
子ネコは暖かいものがあると安心するので、ペットボトルにお湯を入れてタオルで包んだものと一緒にしてあげるとよいでしょう。
受診した時には、健康状態と子ネコのだいたいの月齢を教えてもらえます。また、今すぐ必要orこれから準備すればいい用品も合わせて教えてもらいましょう。
子ネコの月齢の見分け方
一般的にネコは1歳で成猫になるといわれています。子ネコである1年間のうちに授乳期・離乳期・発育期に分けられるので、それぞれの特徴を踏まえて解説します。
個体差があるので参考程度に。
授乳期(生後3週間以内)
生まれてすぐなので臍の緒がついている、もしくは目が開いていない状態。
食事はミルクですが、量を飲めないので少量頻回に与えます。また排泄が自分でできないので、濡れたティッシュなどでお尻を刺激して排泄を促します。体重は約100g前後です。
生後10日前後で目が開くようになります。まだ歩くことはできませんが、体を舐めたり仕草がネコらしくなってきます。
この時期まではミルクは2時間の間隔で与える必要があります。体重は約150〜200gです。
少しづつ腹ばいで動き始め、生後3週間には手足で体を支えて歩きます。乳歯が徐々に生えてくる時期でもあります。
ミルクは4時間の間隔で与えましょう。体重は約300〜400gです。
離乳期(生後1〜2ヶ月)
生後1ヶ月〜2ヶ月
この時期は社会性を身につける時期ともいわれており、母猫や兄弟ネコとの関わりが重要です。
食事がミルクから離乳食へと徐々に移行していく時期です。また、お水を飲み始めるので離乳食と同様に少しずつ移行しましょう。
また、排泄が自立する時期。ソワソワしていたらトイレへ入れてあげましょう。
体重は生後1ヶ月で約400〜500、2ヶ月で約1kg前後です。
発育期(生後2ヶ月〜12ヶ月)
食事・排泄など今まで介助していたことが自立し始める時期です。また、ドライフードに食べ慣れて始めるので、子猫用総合栄養食のドライフードを徐々に与えましょう。食べられるものが変わるので体格にも影響して体つきがよくなります。
離乳食を卒業してドライフードのみでも問題なくなる時期。日に日に体が大きくなっていきます。子ネコ特有の好奇心旺盛な時期なのでケガには注意しましょう。体重は約1kg〜1.5kgです。
食欲旺盛になる時期ですが、消化能力がまだ未熟なので一食量の食べ過ぎには注意です。体はまだまだ成長途中なので食事を3〜4回/日とわけてあげましょう。
体がだいぶ成長してくる時期です。一度の食事で量を食べても大丈夫になってくるので、食事を2〜3回/日と減らしてみてもいいでしょう。
発情期が始まりだす、永久歯が生えそろう時期で身体が成猫へ近付いています。体重は約2.5〜3kgです。
ほとんどのネコが発情期を迎える時期になります。ネコにとっても負担が大きいので不妊去勢手術を検討してください。
8〜9ヶ月でほとんど成猫と似た体格になり、大きな成長はありません。好奇心旺盛なのでイタズラ、誤飲・誤食には注意です。
それぞれの月齢の特徴を紹介しました。そのネコに合ったお世話のポイントなどの細かいことは動物病院で相談してみてください。
準備するもの
月齢にもよりますが、子ネコにはまだ1人で生きられる能力が乏しいです。ある程度自立できるまで、お世話しないと命を落としてしまう可能性が高いです。
私の家族と暮らしているネコ、ロブくん・ミミちゃんの月齢写真とともに、月齢に合わせてやるべきこと、準備するべきものを紹介します。
生まれてまもなく〜生後1.2ヶ月
この時期は様々なことが自分でできないので、お世話が必要です。注意点とともに紹介します。
生後まもなくは自分で体温調節ができないので、保護した時に低体温になっていないか確認しましょう。体温管理がうまくいかないと死んでしまう可能性があります。
身体に傷がなければお湯へ入れたり、お湯をいれたペットボトルなどの即席湯たんぽで持続的に身体を保温・一定の温度管理をしてあげましょう。
子猫を飼育するのは段ボールで問題ないですが、ふわふわした毛布などを入れて保温をします。また、常に清潔を保ちましょう。子ネコは免疫機能が弱いので感染症などにかかると命の危険があります。
- 保温できるもの(即席湯たんぽ、カイロ)
- 清潔なタオル、ふわふわな毛布
- 段ボール
生後まもなくは歯が生えていないので授乳が必要です。目も見えていないのでスポイトなどを使って口元まで介助しましょう。
生後2週までは2時間おきに、生後4週までは4時間おきに与えます。その際に、飲んだ時間・量・体重・うんちの状態を記録しましょう。記録をすることで順調に生育しているのか、ミルクを飲んでいる量や濃度を調節が必要なのかがわかります。
生後3週ごろには乳歯が生え始めるので、ミルク→離乳食へ移行していきます。離乳食やふやかしたドライフードなどを与えますが、急に切り替えることはできないので徐々に移行していきます。
ネコの体調やうんちの性質を確認しながら卒乳を目指しましょう。また、離乳食へ移行すると同時にお水を飲み始める時期でもあります。
- 子ネコ用ミルク
- スポイト or 針のない注射器など
- 日々の状態(うんちやおしっこの性質)を記録する
- (歯が生えてきたら離乳食・ウォーターボウル)
生後まもなくは自力での排泄ができないので、母猫がお尻をなめて刺激をすることで排泄をしています。濡らしたティッシュなどでお尻をポンポンと軽く刺激します。刺激をしても排泄ができない場合は、無理して刺激を続けるのではなく動物病院の受診をしましょう。
離乳食に移行すると同時期くらいに排泄が自立し始めます。子ネコがソワソワしていたらそっとトイレへ入れてあげましょう。
- ティッシュ or 脱脂綿
- ウェットティッシュ(うんち拭き取り用)
- (生後1.2ヶ月で子ネコ用トイレ)
生後3週ほどで手足で身体をさせて歩き始めます。また、爪が目立つようになるので怪我予防として日々チェックし、伸びていたら爪先を切りましょう。ネコの爪切りは多くの飼い主さんの悩みの1つでもあるので、子ネコのうちから慣れさせることが重要です。
生後2ヶ月から爪とぎを始めるともいわれているので、準備しておいてもよいでしょう。
- 爪切り
- 爪とぎ
生後3〜4ヶ月
この時期は想像通りの子ネコの特徴がたくさんあります。自立している分、注意が必要な時期です。
離乳食→ドライフードへ移行する時期です。まだ消化機能が未熟なので少量頻回に与える必要があります。
子ネコ用総合栄養食を3〜4回/日の目安で。身体の発育が進む時期なので体重が増えない(減っている)場合には動物病院へ受診しましょう。
- 子ネコ用総合栄養食ドライフード
母ネコの母乳で飼育できなかった子ネコは免疫の獲得が不十分と言われています。なのでワクチン接種で免疫の獲得が必要になります。子ネコの状態によって異なるので、動物病院で相談してください。
活発に動き始める時期なのでケガや誤飲・誤食、脱走に要注意です。また、さまざまなものがおもちゃになりやすいため転倒する可能性のあるものや、ネコにとって毒といわれている観葉植物の設置は特に注意しましょう。
高いところから転落する危険もあったりと、この時期には安全対策が重要です。
また、脱走することがあるので玄関・ベランダなどドアを開けた瞬間に出てしまう可能性を考慮して脱走対策を始めましょう。遊びたい盛りなのでおもちゃでしっかり運動させてあげましょう。
- ネコ用おもちゃ
観葉植物について
生後5〜6ヶ月
成ネコに近づいている時期でヒトで例えると思春期あたりです。身体の変化が生じる時期なので、今後のことを考えて検討・選択しましょう。
ドライフードの総合栄養食はそのまま引き続き与えましょう。この時期には消化機能も成ネコに近付いているので、ご飯を与える頻度を2〜3回/日へ減らしても問題ないです。ネコはもともと1回の食事でたくさん食べることは少なく、1日のうちに何回かに分けて食べることが多いので減らす必要がなければそのままでも。
生後6ヶ月あたりから発情期が始まるといわれています。繁殖を考えていないのであれば早めに避妊去勢手術を行いましょう。避妊去勢をすることで生殖器の病気の予防につながるといわれています。また、ネコは繁殖能力が高く、「飼育していたネコの避妊去勢をしていなかったら、気づいた時には飼育できないほどの数まで増えていた」という話は珍しくありません。飼育多頭崩壊などの危険を招くこともあるので、ヒトもネコも安心・安全に暮らすために、手術の検討・動物病院への相談をしましょう。
避妊去勢手術をすると、肥満になりやすいといわれています。特に室内飼いのネコは肥満のリスクが高いといわれており、運動不足が原因です。おもちゃで遊んであげることだけでなく、室内の環境を上下運動できるように整えましょう。
乳歯→永久歯へ生え変わる時期です。ムズムズしてさまざまなものを噛むため甘噛みが増えます。ヒトの手足で遊ぶクセがつくと、噛み癖が治らないのでネコ用のおもちゃで遊ばせましょう。
オススメ
我が家の愛猫おこげさんは蹴りぐるみで、噛んだり蹴ったりします。かなり力が強いのでおもちゃの耐久性が必要です。我が家で使っているカインズホームの蹴りぐるみを1年ほど使っていますが、少し糸がほつれる程度でまだまだ使えるほど耐久性が高く、気に入ってくれています。
生後7ヶ月〜
見た目はほとんど成ネコと変わりませんが、まだまだ子猫らしさが残っている時期です。この時期には成ネコとほぼ同等なので特別なお世話はありません。ですが、引き続き注意しなければならない点がいくつかあります。
脱走
ネコと脱走は切り離せない危険の1つです。屋外はネコの興味をひくものがたくさんあり、一瞬の隙をみて脱走を試みようとするネコもいます。ですが、屋外はさまざまな危険が潜んでおり環境省でもネコの完全室内飼いを推奨しています。
脱走対策について
屋外の危険について
また万が一、脱走してしまった場合に備えてマイクロチップの装着を検討してください。マイクチップには飼い主の登録情報となる識別番号があるので、どこかで保護されたら飼い主の元へ連絡が入ります。
マイクロチップについて
誤飲・誤食
好奇心旺盛の子ネコにとって誤飲・誤食は身近で、命の危険を伴う可能性があります。誤飲・誤食は子ネコや若いネコに発生しやすいといわれており、遊んでいる最中に飲み込んでしまったケースが多いです。
誤飲・誤食をすると消化器の通過障害が起こりますが、症状の有無に関わらず発見したら動物病院を受診しましょう。
誤飲・誤食について
譲渡をする
保護した子ネコがある程度、自立して人慣れがすんだら譲渡を検討しましょう。もちろん、保護したあなたに決定権があるのでそのまま飼い続けることができるのであれば、譲渡は必要ありません。
もし譲渡を検討しているのであればいくつかの方法があります。
あなたの周りにいる信頼できる人に譲渡する
一番初めに思いつく譲渡といえば、あなたの周りにいる信頼できる人へお願いすることでしょう。
悲しい話ですが、ネコを虐待・命を奪ってしまうヒトが存在します。そういう人達にとって保護ネコは都合のいい存在です。あなたが命を繋いだネコが今後も幸せに暮らすためには、あなたの周りにいる信頼できる人に譲渡する方法が一番、安心できるでしょう。
また、身近な存在の人であれば譲渡後のネコの状況も教えてもらうことができるのでより安心できます。
居住地域の保護団体・ボランティア
あなたが住んでいる地域に保護猫のボランティア団体があれば、定期的に譲渡会を開催している可能性があるので参加できるのか相談してみましょう。
近年、TV番組でも譲渡会の様子を放映しています。実際に譲渡会の様子を見るために参加してもいいかもしれません。あなたが信頼できると感じた次の飼い主さんと出会える貴重な場所です。
保護団体によっては断られてしまう可能性もありますが、その場合は他の団体などあるか相談してみましょう。
まとめ
子ネコを保護したいと決断したあなたは素晴らしいです。簡単なことではありませんし、さまざまな責任が伴うので悩むことも多いでしょう。
この記事が少しでもあなたの役に立つことを祈りつつ、ヒトとネコが幸せに暮らせることを願っています。
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