猫のトリミング、サマーカットで暑さ対策!?ネコの毛って実は〇〇

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暑さが厳しい日が続くと、手軽にできるネコの暑さ対策について知りたくなりますよね?

暑さ対策としてサマーカットされているトイプードルなどの犬種を見かけます。イヌと比べるとネコにトリミングするイメージは少ないですが、必要なのでしょうか?

また、サマーカットされているネコをSNSなどで見かけることがありますが、問題ないのでしょうか?

今回は暑さ対策としてネコのトリミング・サマーカットの必要性について解説していきます。

目次

トリミングとは?

一般的にトリミングとは動物の被毛をカットして整えることを意味します。その他の被毛以外のケア(シャンプー・爪切り・ブラッシング・耳掃除など)全般をグルーミングと呼びますが、トリミングに含むこともあります。

ネコはセルフグルーミングといい自らの被毛を舐めて全身を清潔に保ちます。そのため、室内飼いのネコは獣臭のような匂いはほとんど感じません。

また、ネコには長毛種といって被毛が長い猫種が存在します。長毛種はセルフグルーミングをしても十分なケアが行き届かず、毛玉ができたり汚れが目立ってしまいます。

ネコの中にはセルフグルーミングが下手な子もいます。上手くセルフグルーミングができない場合は毛玉になりやすいので、飼い主さんがチェックしてあげましょう。

長毛種のネコやセルフグルーミングが下手なネコで汚れや毛玉ができやすい場合には、動物病院やペットサロンなどでトリミングをしてもらいましょう。

被毛の秘密

被毛は体を守る役割があります。紫外線・病原体など外部にはさまざまな刺激が多いですが、ヒトより皮膚が薄いため被毛で体を保護しています。

また、ネコの被毛は人間でいうと洋服と同じで、保温効果としても重要です。暑い時期には被毛が抜け、寒い時期には被毛が厚くなります。

ネコの被毛には2種類あり、被毛が1層の場合はシングルコート、2層ではダブルコートと呼びます

シングルコートは比較的に毛が抜けにくいとされており、シャムやソマリが当てはまります。

ダブルコートではアンダーコート(下毛)とオーバーコート(上毛)の2層構造になっているのが特徴です。換毛期にはアンダーコートが抜けおちるため、お手入れが重要です。

シングルコート・ダブルコートともにお手入れを怠ると毛玉ができ、通気性が悪くなったり皮膚が引っ張られ炎症を起こし皮膚病になる可能性があります。毎日ブラッシングを行い、体を触るときに毛玉ができていないかチェックすることが重要です。

シングルコートとダブルコートの見分け方は?

その名の通り、被毛の長さが1種類か2種類かの違いです。なので、被毛をめくって同じ長さの毛しかなければシングルコート。表面の毛とは異なるふわふわ柔らかく質感・長さが違う短い毛がある場合はダブルコートです。

短毛種=シングルコートではないので被毛をめくって確認しましょう。

サマーカットとは?

サマーカットとはその名の通りに、厚い被毛を薄くするためにカットすることです。カット方法はさまざまありますが、毛を揃えるというよりはバリカンなどでしっかりと被毛を刈る状態が多いです。羊の毛刈り後のようにさっぱりとした見た目になることもあります。

見た目のさっぱり感とカット方法によっては可愛らしい姿になることから、サマーカットされたネコを見かけることも多いです。しかし、ネコにサマーカットは必要ないといった意見も聞かれます

では、サマーカットのメリット・デメリットを紹介します。

メリット

サマーカットが必要な場合と理由について解説します。

暑さ対策

見た目の通り、被毛をしっかりと刈るので通気性が良くなり暑さ対策として有効です。また、実験動物のマウスを用いて被毛の有無と皮膚温度の関係についての研究があります。

報告によると被毛があると皮膚温度は低い(皮膚からの放熱がされにくい)ようです。つまり、被毛があると体温が下がりにくいためサマーカットは熱の放散に有効であると報告されています

サマーカットしているネコの多くは長毛種で、暑さ対策として行なっている飼い主さんも多いでしょう。ですが、獣医師さんは暑さ対策のためだけのサマーカットを推奨していないです。後にデメリットも紹介するので、本当にサマーカットが必要なのか判断しましょう。

毛玉・皮膚病予防

ネコはイヌに比べると被毛の密度が高く、毎日のブラッシングは欠かせません。湿度の高い夏では通気性が悪く、肌が蒸れやすいことで皮膚病にかかる可能性があります

飼い主さんはしっかりお手入れをしているつもりでも、不十分で病気につながることもあります。なので、サマーカットをして毛玉・皮膚病の予防することができます。また、皮膚の状態を確認することができるので異変にも気づきやすいというメリットも。

治療のために毛を刈って清潔に保ったり、薬を塗布するためにサマーカットを行う場合があります。

セルフグルーミングの代わりに

ネコは基本的にセルフグルーミングをして被毛を清潔に保ちます。ですが、歳をとってセルフグルーミングができない・回数が減る場合があります。

セルフグルーミングする回数が減ったり、できなくなると毛玉ができやすくなります。毛玉だらけで放置していると皮膚が引っ張られて皮膚炎を起こしやすいです。

また、セルフグルーミングする回数が減ることで被毛が汚れてしまうので、清潔を保つためにも有効とか。

老猫に限らず、セルフグルーミングができないことで毛玉や皮膚炎発症のリスクが高い場合には、サマーカットはメリットが多いです。

掃除がラク

ネコの抜け毛に関する悩みは、多くの飼い主さんが抱えている問題の1つでしょう。特に換毛期ではキリがないと諦めていませんか?

この悩みを軽減する方法としてもサマーカットは有効です。被毛が短くなることで抜け毛だけでなく、ブラッシングがしやすくなるので、毛の処理がしやすくなります。

デメリット

ネコのサマーカットに関するデメリットはいくつかあります。

毛が短すぎると熱中症のリスク

被毛=体の熱を逃さない役割があるというイメージがあるので、密度の高い被毛をもつネコにとって夏は毛が少ない方がいいと思う飼い主さんは多いでしょう。

ですが、あまりにも短く刈ってしまうと反対に熱中症になる可能性があります

ここ数年は猛暑日が続いていますが、体温より高い38℃を超える場合には外の温度を影響を受けやすいと言われています。本来、被毛で防げるはずだった温度を防ぐことができないので熱中症にかかる可能性があります。

室内なら熱中症にならない?

室内では温度管理がされているので大丈夫と安心してはいけません。

ネコは窓際を好みますが、長時間窓際にいることで熱中症になる可能性があります。また、窓際は50〜70%の熱が室内に入ってくるというデータもあるので室内だから安心というわけではありません。

皮膚トラブル

そもそも被毛は外部からの刺激から守る役割があるので、毛を刈ることで皮膚トラブルにつながる恐れがあります

ネコの皮膚は薄いため紫外線を浴びることで、皮膚炎を起こしたり、蚊などに刺されることによってフィラリアにかかる可能性があります。

屋外へ行くネコにサマーカットはリスクが高くオススメできません。屋内でも蚊やノミ・マダニに接触する可能性はあります。本来毛で防ぐことができた感染症による危険が起こることも。

また、ネコはセルフグルーミングをします。舌がヤスリのようにざらざらしているので、過剰にセルフグルーミングをして皮膚を傷つけることがあります。多頭飼いしている場合には、ネコ同士のじゃれ合いにより爪で皮膚を傷つけてしまうことも。

毛が生えてこない

ネコは被毛の美しさも魅力の一つですが、サマーカットしてから生えそろうまで半年〜1年かかるようです。

暑さ対策として短くしたのに冬に間に合わず寒そうにしていたり、毛の一部がうまく生えそろわなかったといったデメリットがあります。

ネコにとっても被毛は重要なので、被毛が少なくなることでストレスを感じて過剰にグルーミングをしたり、一部をずっと舐めつづけると毛が生えそろわないこともあるとか。

せっかくの美しい毛並みがガタガタになってしまったら残念ですよね?

ストレス

トリミングやグルーミングではネコの安全のために拘束したり、素早く終わらせるためにバリカンなどを使うのでネコにとってストレスを感じやすいです。

ネコはストレスを敏感に感じ体調を崩してしまったり、病気につながる恐れもあるので安易に考えないようにしましょう。

まとめ

サマーカットにはさまざまなメリット・デメリットがあります。それぞれのネコによって健康維持につながったり、反対にリスクとなる場合があるので安易に考えずに判断しましょう。

必要かどうかは飼い主さんだけでは判断が難しいので、かかりつけの獣医師さんに相談して慎重に行いましょう。

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この記事を書いた人

保護猫おこげと2人暮らし。1匹でも多くの保護猫が安心して暮らせる未来を。
ネコのために働く、病院勤務のライターです。

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